平面ダイエット

[オタク]2007年11月 6日

友人に連れられてDreamParty大阪へ行ったのは、一年前の秋爽の日。
 その場で一目惚れするように買った白河ことり(ダ・カーポ/七尾奈留)のポスターをビームサーベル状にして、人の多い休日の大阪市内中で己を晒すように「耐えろっ、耐えろっ、これを抜ければ俺には桃源郷が待っている」と思いながら持って帰ったのが懐かしく思い出される。

やがて家に辿り着き、つばの広い麦わらのような帽子を被り、海辺を背にロングヘアーの少女が光に照らされているポスターを見つめながら、満面の笑みで自室の壁に貼るやーちん。傍目に見なくても十分キモイですこれ。

しかし、これを貼る時に一つだけ心に決めた事があった。これを最後のポスターにしよう、と。
 部屋と外見はオタクでなくていい。オタク分野は頭の中とパソコンだけで補える。
 そうだな、はがす時は一年後のドリパ大阪にしよう。

そして、その時。季節は巡り、再びドリパ大阪(秋)が開催された。
 七尾奈留のポスターを貼って一年が過ぎていた。
 一年も立てば約束は忘却の彼方でなくて、忘れる事もなく覚えていた。
 私は平面美少女の眼前に立つ。相も変わらず、青い海と空を背景に、陽の光を浴びた赤毛の少女が二次元の中で微笑んでいる。
 ??よし。

次のポスターが決まっていたら、1分もかからない作業。
 しかし、子どもが医者から注射されるのを、ちょっと待ってと言いながらそのまま10分以上もためらっているような、そんな気分が自分を支配していた。ただの作業なのに、ポスターをはがすことで自分の皮膚が剥がされるような、気持ちになる。

壁を見れば絵師は変われど、常に二次元美少女が側にいた。故にふつーの人を部屋に入れる事ができなかった。気付かなかったけれど、飾ってきたポスターは自分がオタクであると言う存在を主張していたいのかもしれない。

一時間が過ぎた。
 日焼けをしていない白い壁が現れた。代わりに飾るイラストは既にない。しばらくすると、日に焼けていない白い壁も周りと同じ色に染まるだろう。
「うむ。部屋片づけにとっては小さな一歩だが、オタクにとっては大きな飛躍だ」と、口にして私は満足気に壁を見渡した。


 ダイエット本が最近売れている、オタキング岡田斗司夫さんのインタビューが掲載されている新聞記事を思い出す。

(中略)でも、これからはそんなオモチャや本の"ダイエット"をしたいんです。ほとんど手放して、本当にすごいものだけを、三本くらいの棚にまとめて入れて、いつも目の行き届く場所に置いていたい。言ってみれば「オレは森に住みたいんじゃない。ガーデニングをやりたいんだ」って心境ですかね。
(2007年11月3日 『NIKKEI プラス1』より)

あの人程に知識も経験もすごいものもないけれど、それなりにオタグッズも増えてきた。オタクな知識は頭の中とパソコンのハードディスクにはいつでもいくらでも詰め込んでもいたいけれど、物は増えすぎた。
 自分の部屋のオタクである象徴を片づけられたんだ。後は楽なものだろう。

部屋からオタクなものが消えても、これからもオタクでいるとは思うしね。

| トラックバック(0) | タグ: |

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.happygolucky.jp/mt-tb.cgi/160


← 【雑記】やるかやらないかで悩むんじゃねぇ。

【雑記】オフレポを皆で楽しめるように書く、難しさ →



Copyright© 2001-2015 Happy-go-Lucky 管理者:やーちん <--/* */-->