ほっと和むLIVE空間「LIVE・WONDER」

[丹下桜]2004年1月 4日

ライブ会場 恵比寿SPAZIO

ライブ会場の行列を見た瞬間、息を呑んだ。
 静か過ぎる。これから始まるライブへの期待感の表れなのか。それとも、選ばれたものだけが参加できるイベントの性質が持つ、厳格さの表れなのか。地下のライブ会場へと続くらせん階段が、宗教的イベントの雰囲気をも匂わせるようだった。

開場時間になっても行列は止まっている。その間に周りを見渡す。男女比はざっと見て25対1くらいか。この場に一人で来る女の子は、この待ち時間に猛烈な孤独感に襲われるに違いない。WONDER-NETが女の子を優先したくなる気持ちが分かったよ。

と言う訳で、WONDER-NETは考えました。地下二階にあるライブ会場では女の子は最前列の席に座れます。これが、「レディースシート」。隣の席も女性同士になる様に心がけています。WONDER-NET会員の女の子のみなさん、ライブに来ると自動的に(?)最前列ですよっ。羨ましい。ちなみに、二列目以降はSAKURAさんによると、「勇者のシート」らしいです。意味は推して知るべし。



今日は来てくれてありがとう

入り口に張り紙が

ライブ会場内に入ると狭い。最前列からSAKURAさんまでの距離はわずか2、3メートル! 客席から向かって左がピアノ(前田さん)、中央にボーカル(SAKURAさん)、同じく中央にギター(相馬さん)、右端にギター(前澤さん)の4人で演奏となる。

少しずつ舞台が暗くなり、闇に紛れてバンドメンバーが登場する。最後に、SAKURAさん。黒いショールにピンクのワンピースのいでたちで舞台の中央に進みでる。そして歌いだす。「奇蹟の風」、「Future Dream」を歌いだす。SAKURA'S CHATが始まってゆくような出だし。さあ、ほっと和むLIVE空間の始まりだ。

写真で見たのと同じ人だ! 私のいる席からでも10メートルほどしか離れていない。歌う顔の表情、左手の振りまでつぶさに見て取れる。少人数ならでは醍醐味か。

2曲を歌い終わってから、MCが入る。前日(12月20日)の大雪の話。交通機関が動いているか心配したSAKURAさん。「たどり着くまでが第一関門。だけどライブの中でもまだまだ関門がありますからね。さあ、生き残るのは誰かな?」と冗談を飛ばす。いい具合にトークが入って、「レポ書かなきゃ」と意気込んでいた心がふっと解き放たれた。



バラードがんばります

「Make A Wish」は情熱的に、感情を込めて。七夕から時期がずれるけれど良い歌だ。ここでは「風のうた」、「LOVE PAIN」のバラードに力を注ぐ。「活動雑記」や日記でも時々書いていたのだが、最近のバラードはどうも聴くだけのものを持っていないと思っていた。従ってANGELの曲からも遠ざかっていた。それが、切なく歌う表情や声、しぐさを加味するとどうだろう。今までの歌に生命が宿ったかのように、全く違う歌のようにさえ聞こえた。これが生演奏の効果なのか。静寂の中に歌声が響き渡る。



LIVE SAKURA'S CHAT

SAKURAさんのライブが誇る、最も特徴的なライブコンテンツ。それが、生放送のSAKURA'S CHATである。曲の合間に挟むトークの代わりに、以前からSAKURA'S CHAT内で募集していたライブ用のメールを数通、ここで読むのだ。なるほど。これなら歌と一緒に、ラジオの公開録音に来た気分も味わえる。会場に来ている場合はみんなで「どこだ? どこだ?」と探す姿が面白かった。

一度のライブで二度おいしいLIVE・WONDERも魅力だが、ここでの大事な点はWONDER-NETの会員とのコミュニケーションだろう。今までの歌がSAKURAさん→客席の「1対多」のコミュニケーションなら、この場においてはSAKURAさん→メールを読まれたリスナーさんの「1対1」のコミュニケーションが成立する。想像してほしい。もしも当日ライブの場にいて、自分の出していたメールがその場でSAKURAさんに読まれた喜びを。その瞬間、自分のまわりのを取り巻く客席の人影は消え、SAKURAさんとメールという電子の糸でつながれた「1対1」の関係が浮かび上がる。これこそ、ライブの最高の想い出にならないだろうか。



心温まる クリスマスプレゼントを贈ります

クリスマスを控えますから

「Let's Party!!」の最後「みなさま あとはヨロシクネ・・・」のセリフ通り、彼女は笑顔で手を振りながら舞台の袖から姿を消した。POETLYの後に、サンタの帽子をかぶり、白いカーディガンで再び姿を現す。左手には鈴を持っていた。

「メビウスの魔法2∞3」、「Holy Love」、「Merry Chistmas on WONDER-NET」、トリは「プラチナ・スノウ」。たった3年程の間に、クリスマスソングがいつの間にか増えている。個人的には最初に作ったプラチナ・スノウが一番のお気に入り。歌の合間に、りりん、と鈴を鳴らした。その衣装にふさわしいクリスマスソング構成の第二幕が過ぎてゆく。

「Merry Chistmas on WONDER-NET」の頃から、終幕に向けてライブの勢いがつく。手拍子や少しだがコールも客席から聞こえた。それが最高潮になったのは「YOUR CHEER GIRL」。もともとライブで歌ったら盛り上がるような曲調だが、現実ではまさにその通り。手拍子がいっそう強くなり、「C・H・E・E・R If you never give it up?」の間奏の所でSAKURAさんが溜めて溜めて、最後にみんなで「Let's Go!」と叫ぶ。うん。これこそライブだよ。

ラストは「光りの勇者」。SAKURA'S CHATのエンディングテーマだけに、この曲も定番になった感がある。「奇蹟の風」のPOETLYから始まり「光りの勇者」で締めるLIVE・WONDER。まるでSAKURA'S CHAT特別版だ。



舞台主導の下で

さながらコール表

時間は前後するが、今回のライブで印象的だったのは、入場前に配られていた一枚の紙。そこにはSAKURA'S CHATのライブ企画で生まれたみんなのうた「FLAT OUT」の歌詞と、「Let's Party!!」の歌詞が緑色の文字で載っていた。一部、赤い文字があるのだが、その部分をみんなで叫ぶらしい。たとえば、新曲「FLAT OUT」なら、サビの部分の「FLAT OUT」や、「Let's Party!!」なら「ごめんね、みんな(笑)」などが赤字で記されている。みんなの歌詞、言葉、想いの力が一つになった「FLAT OUT」、名曲になる予感がした。

後半の「Merry Christmas on WONDER-NET」でもそうだ。歌う直前にSAKURAさんから「みんなで一緒にカウントダウンをしたいと思います。10、9、8……1、『メリークリスマス』で、いいですか」と言って、会場全体でカウントダウンをする。「メリークリスマス!」そして、最後に舞台のSAKURAさんが、

――And Happy new year, too!

客席を引き金にして演奏が始まる。客席と舞台でひとつの歌を作り上げている。上手い!
  私はイベンターと呼ばれる声優ファンの方々のコール方法など全く知らないが、主催者であるSAKURAさんサイドからこうしたコール方法を提示するのは非常に画期的なことではないだろうかと思う。

ここからは余談なのですけど、「光りの勇者」を演奏して、一旦幕を下ろしました。アンコールの代わりに最初は拍手が起こりました。ずっと拍手が続いて、「誰かアンコールと叫ぶんだろうなぁ」と思っていたら「さ・く・ら!」コールが起こって、次いで「アンコール!」の声が飛んできました。「さ・く・ら!」と「アンコール!」がかぶる状態になっていました。こういうを含めて、多くのアーティストの歌では統一されているものなんですかね?
ただ、ファン側でコールを統一する(まるでライブ会場で無言の圧力をかけるような)のが、いつも正しいとは私は思いません。



わたしは、わたしのできることをする

Little Seraph、ANGEL、Princess Aliceと名を変えて歌を歌っているが、その曲の多くは大人しめの曲である。ライブで使うなら、盛り上がるより聴かせるタイプに分類される。その中で、みんなも(そして演奏者自身をも)楽しもうと考えた結果が、「FLAT OUT」や「Let's Party!!」に見られたコールであり、「Merry Chistmas on WONDER-NET」や「YOUR CHEER GIRL」で見られたパフォーマンスでないだろうか。

出来る限り多くの人を歌で感動させる、歌で心を癒す。それもあるだろう。しかし、そんな救世主まがいの活動ではなくて、WONDER-NETに集うみんなに喜んでもらったらいいなぁ。同じ時間に同じ場所に集った人たちを「ほわわ?ん」な空気で包み込めたらいいなぁ。寒い冬だけど、あったかい気持ちになれればいいなぁとかすかな願いをこめた活動に近いと思う。

わたしは、わたしのできることをする。
 SAKURAさんにとってそれが、WONDER-NETと言う場所であり、今日のようなライブ活動なのかもしれない。

アンコールで演奏された「You're my ANGEL」、最後に舞台が虹色の光で照らされた「RAINBOW」、そして「POETLY RAINBOW」。別れを惜しむように、舞台から紡がれる音楽と共にひとつひとつの言葉をかみ締めながら聴いていた。

無理しない。肩肘張らない。
 気楽に。笑って。
 だって、ここは「ほっと和む空間」なのだから。



演奏曲一覧

――OPENING POETRY(奇蹟の風)――

01.奇蹟の風
02.Future Dream
03.Make A Wish
04.風のうた
05.LOVE PAIN

――SAKURA'S CHAT――

06.FLAT OUT
07.Let's Party!!

――POETRY READING(Holy Love)――

08.メビウスの魔法2∞3
09.Holy Love
10.Merry Chistmas on WONDER-NET
11.プラチナ・スノウ
12.YOUR CHEER GIRL
13.光りの勇者

――アンコール――

14.You're my ANGEL
15.RAINBOW

――ENDING POETRY(RAINBOW)――

会場:恵比寿SPAZIO / 2003年12月21日(日) 16:00開演


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